抑肝散(よくかんさん)
幼児の夜泣きのほか、大人の神経症状によく使われます
精神安定化の柴胡(サイコ)・釣藤鈎(チョウトウコウ)・茯苓(ブクリョウ)、血液補強の当帰(トウキ)・川芎(センキュウ)、消化器周辺の水分流通を調える蒼朮(ソウジュツ)・茯苓、消化器を保護する甘草(カンゾウ)で構成される漢方薬です。元は幼児の夜泣きや疳の虫に使われたが、現代ではいらいら、不安、緊張等の神経症状や、認知症の周辺症状にも使用されます。甘辛味。
虚弱な体質で神経が高ぶるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症
激しい苛立ちや動悸を感じる人に対して、神経の高ぶりを抑えることを目的に使用される漢方薬です。体力のない人向けの薬とされていますが、実際にはもう少し幅広く用いることもあります。
その他の応用
認知症、眼瞼痙撃、てんかん、術後せん妄、自律神経失調症、うつ病、夜驚症、虚弱体質等。
構成生薬 | 味と性質 | 作用する漢方的な臓器 |
柴胡(サイコ) | 苦/寒 | 心包、肝、三焦、胆 |
甘草(カンゾウ) |
甘/平 |
心、肺、脾、胃 |
川芎(センキュウ) | 辛/温 | 肝、胆、心包 |
当帰(トウキ) | 甘・辛/温 | 肝、心、脾 |
蒼朮(ソウジュツ) | 辛・苦/温 | 脾、胃 |
茯苓(ブクリョウ) | 甘・辛/温 | 心、脾、腎 |
釣藤鈎(チョウトウコウ) | 甘/微寒 |
肝、心包 |
偽アルドステロン症、ミオパチー、過敏症、消化器症状