

マメ科
カイカ(槐花)
日本にはみられなかった中国原産の落葉樹でアカシアに似た花を夏に咲かせます。盛唐長安の都大路の並木とされた由緒ある名木で、耐寒や耐乾性に優れているため、日本では街路樹として全国各地に導入されています。エンジュのカイカ(槐花)は生薬として利用すると毛細血管をやわらかくするはたらきがあるため、高血圧の予防によいといわれています。

槐花とはこの花のつぼみを米粒状に乾かしたもので[槐米]とも呼ばれています。一日量3~10gをコップ1杯の水で半量に煎じて食間3回に分けて飲むと動脈硬化や中気の予防に効果的で。また痔や歯ぐき、口中の出血などにもよいとされています。槐花はルチンを20~30%含み、高血圧症改善薬、止血薬などの製造原料とされているほどで、かつては薬局方
にも収められていました。古書にも「槐花は五痔一切の血痔を治し、槐花葉は痔疾に用い、槐花角子(種子)は目を明にし気力を益す」と記されているほどですが、妊婦は服用をつつしむとされています。
採り方
6~7月、花のつぼみを採って乾かします。乾燥歩留まりは約2割5分。挿し木で増やします。